導入から長い時間が経過すると諸々の環境が変化する事が有ります。
例えば、
・条例による規制内容や規制値の変化・強化。
→ 規制が強化されて従来よりも規制値が厳しくなった。
→ 規制がppm濃度規制から臭気指数規制に変わった。
→ 規制区域の変化。工業区域から住居区域に変更、等。
・周辺環境の変化。
→ 周囲が開発されて住宅地になった。
→ 周囲にビルやマンションが立ち並びどの方向に排気が流れても苦情が来る。
・事業内容の変化。
→ 規模の拡大などにより稼働条件が変化した、排気の臭いが強くなった。
→ 作業内容を変更したので臭気成分が変化した。
・設備の異常。
→ 設備の経時劣化で修理・交換が必要。
・セラミックスの異常。
→ セラミックスの汚染や破損で補充・交換が必要になった。
このような事態が想定されます。以上の事態への対処を解説いたします。
・規制が強化されて従来よりも規制値が厳しくなった。
規制値の強化により従来以上の脱臭が要求される事もあります。従来の脱臭装置のセラミ
ックス追加や設備改修等で脱臭能力を強化する、又は脱臭装置を交換する必要が有ります。
当社のセラミックス脱臭装置は「充填予備空間」を確保してセラミックス追加充填による
脱臭能力の強化が可能な設計としています(設置空間に余裕がない時などは割愛する事が有
ります)。セラミックス追加で対応できる場合は追加を、追加できなければ設備の改修案を
ご提案いたします。
・規制がppm濃度規制から臭気指数規制に変わった。
規制内容がppm規制から臭気指数規制に変わった時には、新しい測定方法に合わせて臭気
測定を実施して対策を考慮する必要が有ります。
特に複合臭気(多数の臭気物質が混合している臭気)のppm濃度を臭気指数に換算する事
は難しく、測定による確認が必須となります。
「ppm濃度規制と臭気指数規制について」のページで2つの違いを解説していますのでそ
ちらもご覧下さい。
測定の結果を確認して以後の対策を検討します。従来の設備で脱臭能力に問題がなければ
そのままで、脱臭能力の強化が必要ならば対策(セラミックス追加又は設備改修・交換)を
ご提案いたします。
・規制区域の変化。
規制区域が変化して規制値が強化された、規制区域外だったが新たに規制区域となった、
という事もあります。事項の「周辺環境の変化」で解説します。
・周囲が開発されて住宅地になった。
大都市の郊外ではよくあることです。工場の建設当初は周囲に何もない、見渡す限り畑ば
かり、そのような所でも開発が進んで住宅地になる事もあります。そうなると周囲の住民か
らの苦情が来ることは避けられませんし、住宅地域は条例の規制基準が最も厳しくなります
(厳しい:住居地域→商業地域→工業地域:緩い)ので脱臭装置の強化が不可避! そうな
ると脱臭対策と脱臭装置を一から見直す必要があります。
余談ですが、とある会社では「脱臭対策をせずに解決」 しました。一体何をしたのでしょ
うか? なんと、規制のない土地へ工場を移転しました。周囲が開発されたら地価が上昇す
るので土地を売却すれば高値で売れて工場の移転費用を差し引いてもおつりがくる、という
事もあります。
・周囲にビルやマンションが立ち並びどの方向に排気が流れても苦情が来る。
これも似たような例ですが、いつの間にやら周囲に高層建築が立ち並び工場が包囲され
ているという事もあります。こうなると東西南北360度かどの方向から風が吹いてどの方向
に臭気が流れても漏れなく苦情が来る、住民が役所に相談すれば担当部署からも「行政指
導」や「改善勧告・改善命令」が来るでしょう。
この場合も上記の場合と同様に脱臭対策と脱臭装置の見直しが必要になります。
・規模の拡大などにより稼働条件が変化した、排気の臭いが強くなった。
当社の設備は一定の条件、(風量・臭気成分・臭いの強さ)に最適化した設備ですので、
導入後に風量・濃度・稼働時間等々の条件が変化(≒悪化)すると予定の脱臭性能を発揮で
きなくなる事が有りますので、設備の改修や新規製作で対策する必要があります。このよう
な場合にはお問い合わせ・ご相談下さい。
・作業内容を変更したので臭気成分が変化した。
臭気成分が変化するとセラミックスの脱臭効率も変化します。
臭気測定で効果を確認して、脱臭効果に変わりない、むしろ脱臭効果が向上している、こ
のような場合は対策は不要です。しかし、脱臭効果が低下していたら設備改修等の対策が必
要になります。
・設備の経時劣化で修理・交換が必要。
10年以上の長期にわたる使用ではこのような事もあります。機器の異常や故障等が発生す
る事も稀に有ります。当社の脱臭設備は稼働機器が少ない(基本的にはブロワーのみ、必要
に応じてその他機器を追加)のでめったにそのような事はありません。
過去の事例を挙げると、ブロワーの内部が汚染物質まみれになり交換が必要、ビル全体で
の定期的な設備改修により脱臭装置一式を含む設備の全面的な更新、等々・・・。
この様な時には該当する設備を交換して対処します。
長期使用によりセラミックスに異常が発生する事も有ります。
・セラミックスの汚染や破損で交換が必要になった。
これが最も多い事例です。
→ セラミックスの汚染。
排気中に含まれるヤニ・タール等々の汚染物質がセラミックスの表面に付着、蓄積し
てセラミックス表面が汚染物質で塗装されたようになります。
清掃で汚染を除去します、それでも汚れが落ちなければセラミックスを交換します。
→ セラミックスの破損。
外部からの衝撃が加わる、地震等の揺れ、等の理由によりセラミックスが破損する事
が有ります。破損したセラミックスは交換します。
→ 過剰湿気による溶解。
過剰湿気(結露するような高湿度排気)に曝され続けるとセラミックスが少しずつ溶
解・変形していきます。溶解したセラミックスの交換と、設備の見直し・改修で湿気を
除去・結露を防止して対処します。
臭気問題でお悩みの方、対策費用を抑えたい方、当社までご相談下さい。