セラミックス触媒で脱臭可能な悪臭成分の例を掲示します。記載した成分は一例であり、この他にも様々な臭気成分に対応・脱臭が可能です。

悪臭防止法の制定とその後の主な改正。

悪臭を含む公害の取り締まりの歴史。

 悪臭防止法が制定されるまでの経緯とその後の主な改正・強化について解説いたします。

 

悪臭防止法の制定とその後の改正 (=強化!) 内容の概要。

悪臭防止法の制定以前。

 戦前にも一部地域で公害の発生が確認されていましたが、戦後の重化学工業化と高度経済成長に伴い社会と産業構造が「大量生産→大量消費→大量廃棄→大量汚染!」と変化し、日本中で様々な公害が発生して社会問題になりました。

 人間の活動による汚染物質の排出量が自然の浄化能力を超えた、あるいは自然界で分解浄化出来ない物質を排出した、その結果として汚染物質が蓄積されて公害が発生します。

 

 公害発生の主な要因としては、

 ・人口増加や産業革命による環境への負荷の増大。

  → 生産増大=廃棄増大=環境負荷の増大。

 ・生活の変化=自給自足(モッタイナイ精神)から大量消費・大量廃棄への転換。

  → 廃棄物を極力出さない生活から使い捨ての生活へ、廃棄=環境負荷の増大。 

 ・人口の集中・都市化=排気と汚染が一か所に集中!

  → 昔は人口が農村に分散して廃棄物も広く薄く廃棄されていたので自然界の浄化能力の枠内に    収まっていたが、都市に人工が集中すると廃棄と負荷が一点に集中! ”局所的に”自然の浄化    能力を超える=公害発生!

 ・科学の進歩=自然界で分解できない物質の製造と廃棄!

  → ビニール、プラスチック、化学物質、放射性物質、等々・・・。これらの自然界で分解・浄    化出来ない汚染物質が環境中に排出され蓄積される。

 

 公害対策を望む声は以前からありましたが、高度成長時代には「俺たちが日本を作ってるんだ!」という反論? 開き直り? に遮られて規制法の制定は遅々として進みませんでした。その後増々悪化・激化する公害問題を無視できなくなり、 1967年(昭和41年)に「公害対策基本法」が制定されました。この法律で7大公害(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・振動・騒音・地盤沈下・悪臭)が規定されました。しかし他の公害(特に水質汚濁や大気汚染)に比べると、悪臭は生命や健康に危害を及ぼす可能性が比較的低い事、臭気物質の測定方法が確立されていない事、等々の理由により具体的な悪臭の規制基準は設定されませんでした。

悪臭防止法の制定。

 その後に7大公害を個別に規制する法律が成立すると、悪臭についても1971年(昭和46年)に「悪臭防止法」が制定されて規制が実施されるようになりました。具体的には臭気物質のppm濃度を規制する内容です。しかし規制対象となる臭気物質はわずか5種類でした。 

規制の強化(規制対象物質の追加)。

 規制物質がたったの5種類では十分に効果のある規制は出来ないので、臭気物質の測定技術の進歩に伴い年々規制対象物質が追加されていきました。

悪臭防止法による規制物質、一覧表。

法の制定・改正年度 規制物質の数 物質名

悪臭防止法制定

1971年(昭和46年)

5種類

アンモニア

メチルメルカプタン

硫化水素

硫化メチル

トリメチルアミン

1976年(昭和51年)

3種類追加

=8種類

2硫化メチル

アセトアルデヒド

スチレン

1989年(平成1年)

4種類追加

=12種類

プロピオン酸

ノルマル酪酸

ノルマル吉草酸

イソ吉草酸

1993年(平成5年)

10種類追加

=22種類

プロピオンアルデヒド

ノルマルブチルアルデヒド

イソブチルアルデヒド

ノルマルバレルアルデヒド

イソバレルアルデヒド

イソブタノール

酢酸エチル

メチルイソブチルケトン

トルエン

キシレン

ppm濃度規制の問題点。

 悪臭防止法は制定以後数度の改正で強化されたとはいえ、当初の規制内容「物質のppm濃度規制」にはいくつかの問題がある事も明らかになりました。

・規制対象物質が少ない。

 → 臭気物質は30万~40万種類。それに対して規制物質はたったの22種類。

 → 更に、日々新たな科学物質が開発されている。規制が追い付かない!

 → 規制外物質は野放し?! 「規制値をクリアーしている?だが臭い!」という問題有り。

・測定費用の問題。

 → 規制物質を増やせばよいか? 規制物質の増加は測定費用の高騰に繋がり非現実的!

・”複合臭気”の評価が出来ない!

 → 複数の臭気物質が混合した臭気(複合臭気)の評価は? 物質濃度規制では想定外!

 → 複合臭気は独特の反応が発生する事がある(注1)ので物質濃度規制は不適当?

・臭いの強さがわからない。

 → 具体的に数値化する事が出来なかった。(特に複合臭気)

 

注1)複合臭気の独特の反応。

 1+1=2、これは小学校1年生で教わる算数の基礎中の基礎ですが、臭気問題では必ずしもそうとは限らず想定外の事が起こる事もあります。例えば、

・マスキング効果:ある臭気で別の臭気を覆い隠す事で臭いを抑える。

         中世ヨーロッパの貴族が体臭を隠すために香水を使用したようなものです。

・相乗効果:特定の込み合わせで化学反応が発生する。

      洗剤の「混ぜるな危険!→有毒ガス発生!」という組み合わせがこれに該当します。

 

 臭気物質の組み合わせ次第では1+1=2ではなく、”マスキング効果”により「1+1→0.1」になる事もありますし、”相乗効果”により「1+1→100」になる事もあります。

 ppm濃度規制にはこれらの問題がありましたが、いつまでも放置していたわけではありません。根本的な解決方法が考案されて採用されることになります。

平成の大改正(嗅覚測定法&臭気指数規制の採用)。

 これらの問題を解決すべく、平成8年(1996年)に法改正が行われて「嗅覚測定法(3点比較式臭い袋法)」が採用されました。従来のppm濃度測定方法とは全く異なる画期的な測定・規制方法です。

 具体的な内容は、

・あらゆる臭気を対象にできる。

 → 従来の特定22物質の濃度測定から人間の嗅覚による測定に変更。

 → 人間が臭いを感じ取れる臭気物質全てが対象となる。

・現実に合わせた測定方法。

 → ”人間が鼻で空気を吸い込んで=人間の嗅覚そのもので” 臭いを測定する。

 → 悪臭問題や苦情は近隣住民が臭いを嗅いだ結果発生するので、同様の方法で悪臭を評価できる。

 → 臭気物質が何種類混合しても、どんな化学反応が発生しようとも、臭気の強さを測定可能。

 

 この改正で臭気測定方法と規制内容が現実に即したものとなり、臭気規制の有効性が大幅に向上しました。そして現在に至ります。

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