セラミックス脱臭装置の脱臭能力を維持する為のメンテナンス(点検・清掃)のご案内です。

セラミックスの点検と清掃のご案内。

セラミックスでも分解できない汚染物質があります。

 セラミックスは触媒効果・分解効果で多種多様な臭気物質や油分を分解し無臭化します。しかし、ススやホコリなどの固形物、固着したヤニ・タール成分、放射性物質、などは分解できません。

 これらの”分解できない汚染物質”はセラミックスの表面に付着したまま残ります、放置すると徐々に汚れが蓄積してセラミックスの臭気吸収・分解・脱臭能力を低下させます

 しかし、清掃作業で汚染を除去すれば脱臭能力の回復が可能です!

「年に2回以上の点検」をお勧めします。

 年2回、もしくはそれ以上の点検を推奨いたします。

 定期的に脱臭設備を点検して、破損、変形、排気の漏れ、等々の異常がないか確認します。脱臭装置内部のセラミックスも同様に破損、汚れ、等がないかを点検します。

 点検により汚染が確認されたら”清掃作業の実行でセラミックスの脱臭性能を維持”出来ます。

”災害”の発生後には設備を点検しましょう。

 地震などの自然災害や事故等が発生したら早期に脱臭設備、内部のセラミックス、付帯設備を点検しましょう。セラミックスや設備を異常な状態で使用を続行すると脱臭能力の低下やその他の不具合が発生します。可能な限り速やかに点検を実施して必要時には清掃や修復作業を行い脱臭能力の維持・回復に努めましょう。

点検・清掃により脱臭性能と寿命を維持!

 点検の結果として汚染が確認されたら清掃作業を実施して除去します。

 清掃&清掃作業の実施でセラミックスの有する本来の脱臭性能と寿命を回復し維持する事が可能となります。そして臭気対策費用の低下、経費節約に繋がります。

点検・清掃をしなければどうなる?

 清掃をせずに汚染を放置すると、「汚染の蓄積→脱臭能力の低下→役所の改善勧告・改善命令!&近隣から苦情発生!」という事態を招きます。また、セラミックスの汚染があまりにも酷ければ清掃しても汚染を除去できない事があります。そうなれば交換するしかありません。

 汚染を放置すると、”セラミックスの寿命が短縮して交換が必要!”となります

 早期発見・早期清掃が最善の維持管理方法です!

点検・清掃の実施で費用節約!

 「最低限の手間と費用で定期的な清掃を実施して脱臭装置の性能と寿命の回復&維持」と、「最低限の手間を費用を惜しんだ結果生じる、脱臭性能の低下・寿命の短縮・そして多額のセラミックス交換費用」、この2つを比較した時にどちらを取るべきかは明白です。

 定期的な清掃により脱臭性能と寿命を維持する事で長期使用! 長く使い続ける事で経済的な脱臭対策・悪臭対策を実現!


清掃の方法と具体例のご紹介。

 「適切な清掃作業の実施でセラミックスの性能と寿命を維持し、長期にわたり使用を継続する!」これが最も効果的かつ経済的な脱臭対策・悪臭対策です。

 セラミックスの清掃の方法や清掃の効果は汚れの種類や汚染の程度により変化します。いくつかの実例を写真付きで掲載して汚染の種類とそれに合わせた清掃方法をご紹介いたします。(具体的な会社名は伏せさせていただきます。)

注)以下にご案内する清掃作業は一例です、全てのセラミックスに共通する清掃方法ではありませんのでご注意ください。清掃作業は取扱説明書の内容を確認後に、又は販売店やメーカー(弊社)まで問い合わせて確認後に、実行して下さい。

  誤った方法で清掃を実施すると、最悪の場合はセラミックスを”破損”する事もあり得ます。

清掃その1。 スス・ホコリの水洗い。(UFOシリーズの清掃の事例)

 ススやホコリなどの除去が容易な汚染はブラシなどで擦れば容易に除去できます、しかし量が多くなると1粒ずつブラシで清掃する事は手間が増えて大変です。簡単にスス・ホコリを除去できる”水洗い”の例を写真付きで解説いたします。

 清掃の方法を間違えるとセラミックスの溶解や破損をもたらしますので、”下記の「水洗浄作業のご注意点」をご確認後に実行して下さい”。(不明点がありましたら実行の前にご相談ください。

水洗浄作業のご注意点(作業前にご確認下さい)

  • 小粒のセラミックスは水洗い不可!」                  →小粒のセラミックス(バレット、タブレット、等)は溶解・破損しやすいので水洗い不可。
  • 洗浄作業は短時間(数分以内)で素早く実行しましょう」        →ホコリやススは軽く水ですすぐと簡単に除去できます。数分経過しても落ちない汚れは別の方法で清掃(あるいは交換)する必要があります。
  • 長時間の漬け置きは不可!」                       →長時間水に浸漬してもガンコな汚れは落ちませんので漬け置きはしないでください。セラミックスが溶解・破損する恐れがあります。
  • 優しく取り扱いましょう」                      →セラミックスは”割れ物”ですので手荒に扱うと破損する恐れがあります。
  • 乾燥してから再充填しましょう」                   →乾燥が不十分だと脱臭効果が低下します。
  • 汚染が酷いものは交換しましょう」                  →汚染が酷くて清掃でも除去できない セラミックスは交換します。
  • 破損や目減り分は補充しましょう」                  →補充しないと隙間が生じて排気が漏出するので脱臭効率が低下します。
UFOシリーズ、充填直後。新品は真っ白!
UFOシリーズ、清掃前。
初期充填時は真っ白→使用後はホコリとススが付着して黒く汚れる。
水洗いで簡単に汚れを除去!
バケツにセラミックスと水を入れて優しく”かき混ぜます。
汚れが分離して水面に浮かび上がる。
軽くかき混ぜたら水が真っ黒!セラミックスに付着して蓄積された汚染物質が除去されました。
汚染の種類により汚れを分離・除去できない事もあります、詳しくはお問い合わせ下さい。
素早く汚水を捨てる、汚染が落ちなければもう一度洗浄を行う。
セラミックスを水に長時間浸漬させると”破損”につながりますのでNG!
清掃後、セラミックスを乾燥して再充填する。
清掃前のススまみれの状態とは比べ物にならないくらい綺麗になりました。
セラミックスのかけら(&汚染物質)。
水に浸してかき混ぜると多少ですが破損したり摩耗したりします。破損分は補充します。

 このように簡単な清掃の実施でススやホコリを容易に除去可能です。

清掃その2。 ヤニ・タール分の清掃(UFOシリーズ+セラブロックの清掃の事例)

 約10年間使用を継続した後にセラミックスを清掃しました(導入から10年間清掃作業をせず)。

 長期間清掃せずに放置するとこのように汚染が進行してしまいます。このような汚れでも清掃作業を

実施すれば ”ある程度は” 汚れの除去と性能の回復が可能です。

点検扉を開きセラブロックチャンバー内部を見る。
内部全体がヤニ成分で真っ黒!新造時は銀ピカでしたが見る影もなし。
点検扉内側に付着した黒いヤニを削り落とす。ビニール袋の中身は削り落としたヤニ成分。
セラブロック充填空間。
本来ならばセラブロックは取り出してから清掃するがヤニでくっついてしまい取り出せない!
無理に取り出そうとするとセラブロックが破損するのでそのまま清掃作業を実施する。
セラブロック清掃中。
ミストスプレーで水をセラミックスの表面に噴霧してから、清掃用の「セラミックスパウダー」を表面にまぶします。その後にブラシなどを使用してセラブロックの表面を擦り汚れを除去します。
UFO-MIX取出口を開く。
チャンバー内部、点検扉内側、そしてセラミックスに”10年分の汚染が蓄積されている。
UFO-MIXをチャンバーから取り出す。
ヤニ成分でセラミックスがくっついて固まってしまい取り出すのに苦労しました。
UFO-MIXの清掃作業。
セラブロックと同様に表面を水で濡らしてから「セラミックスパウダー」をまぶす。
チャンバー内の清掃を終えたらセラミックスを元通りに再充填する。

 この現場ではセラミックスの風上でフィルターを使用していましたが、それでもヤニを除去しきれずにセラミックスや付帯設備が汚染されました。ブロワー(送風機)はヤニによる汚染の為に約9年で交換したそうです。セラミックスより先にブロワーを交換したのは初めての事例です。

清掃その3。 フィルター交換の事例。

 塗装工程の排気が対象! セラミックスの風上側にフィルター設置で塗料を除去してセラミックスの脱臭性能と寿命を維持!フィルターは汚染されたら交換しますが、セラミックスの清掃や交換に比べればフィルターの交換は簡単で安価!

フィルターの使用前後を比較する。

左:使用後、              右:新品
外気取り込み口のフィルター(使用後)
変色と汚染が確認される。
外気取り込み口のフィルター(新品)
新品に交換する。
セラミックスの直前に設置した細目フィルター(使用後)
前部の粗目フィルターを通り抜けたミストはこの細目フィルターでキャッチする。
セラミックスの直前の細目フィルター、使用前後の比較。
左:使用後、           右:新品
セラミックスの直前の細目フィルター、取付作業中。

 塗料・ヤニ・タール、等々・・・、これらでセラミックスが汚染されたら清掃による除去は難しく、セラミックスの交換で対応せざるを得ませんので費用が高騰します。しかしセラミックスの前にフィルターを2重3重に使用する事で徹底的に汚染物質を除去!そしてセラミックスの汚染を防止し脱臭効果と寿命を維持!

 汚染物質の存在を確認できれば設備設計の段階で対策を考慮可能! 事前調査の重要性の証明ともいえる事例でした。

 *もしもフィルターが無ければ、あっても性能が不十分だったら、上記の「清掃その2」と同様にセラミックスが汚染されていたでしょう。

***セラミックスの補充・交換が必要な場合***

 点検・清掃後に、「清掃しても汚染が除去できない」、「セラミックスが破損した」、「セラミックスが摩耗して減少した」、等々の問題が生じたらセラミックスを補充・交換する必要があります。

 詳しくは次のページをご覧下さい。

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