失敗例その1では「脱臭装置を導入したは良いが脱臭能力が不十分!」と言う場合を御説明します。
最初から臭気対策が上手く行くことは意外と少ないようで、当社へ寄せられるお問い合わせの大半が「脱臭装置を導入したが効果が不十分なので設備を改善したい!」と言う内容です。
誤解を恐れずに言うと「大半≒約50%の確率で初回の脱臭対策に失敗している」とも解釈出来ます。少し悪く解釈すると「素人の実施する臭気対策は丁半博打の様なもの」ともいえます。自社の資金で博打を打つのは経営者・責任者の自由ですが、もし賭けに負けたら、会社に資金を無駄にしたら、だれがどのように責任を取るのでしょうか?
臭気対策においても不確実な博打ではなく”確実な対策”が必要となります。
臭気物質は30~40万種類あると言われています。臭気物質にはそれぞれ科学的な特徴があり最適な脱臭方式や脱臭設備も異なります。導入した脱臭設備は脱臭の対象となる臭気物質に最適な脱臭方式・設備でしょうか? 不適切な設備を選択すると脱臭効果不十分、脱臭費用の高騰、という良からぬ結果(=失敗!)を招きます。様々な脱臭方式(燃焼式、スクラバー、吸着式、等々・・・)の中から条件に最適な脱臭方式を選択する必要が有ります。
確実な臭気対策を実施する為には、排気風量等の諸条件に合わせて最適な設備を導入する必要が有ります。必要な設備の規模や能力に対して実際の設備が不足すると・・・。
処理対象となる排気の風量・臭気濃度、等々・・・、の条件に合わせた設備が必要な事は今更説明する必要もありませんが、予算などの問題で明らかに過小な設備を導入するとその結果は失敗あるのみ! 6畳間向けの小型エアコンで大広間の冷暖房などできる訳がない様に、必要な性能にを及ばない過小な設備を導入しても十分な効果は期待できません。臭気期対策でもそれは同様です、条件に見合った規模の設備を選択し導入する必要が有ります。
特に吸着式脱臭方式ではよくある事ですが、吸着剤は「一定量を吸着する≒一定期間稼働する」と飽和(=吸着の限界に達する)するので、それ以上の吸着=脱臭が出来ません。そうなると飽和した吸着剤は新しいものと交換する必要が有ります。燃焼方式は燃料の補充、スクラバー方式は薬剤の補充が必要となる事もあります。
また、予算の関係で補充・交換をしない・出来ないという事もあります。
吸着剤が飽和したまま放置すると脱臭が出来ずに臭気をそのまま垂れ流すのと同じ事となってしまいますので、当然ながら近隣からは臭気の苦情が寄せられる事となります。燃料や薬剤の補充を怠っても同様です。ましてや機器の故障を放置した場合については語るまでもありません。
設備のメンテナンス・補充・交換を怠るとこのような事態を招きます。
現状を正確に把握する事が確実な臭気対策への第一歩です。「情報を収集し、現状を把握し、必要な対策を確定する」これなくして確実な臭気対策は出来ません。
調査や測定による情報収集を怠り、根拠のない思い込みで適当に物事を進めると失敗をもたらします。
「多分」、「だろう」、「かもしれない」、という様な根拠のない思い込みは捨てて、確実なデータに基づく対策を実施する必要があります。
確実なデータが多いほど成功率が上昇し、それとは逆に事実と異なるデータや不明点などの不確定要素が増えるほどに失敗率が上昇します。
最初にすべきことは「原因の確認」です!
なぜこうなった? その原因を確認しなければ対策を考慮する事も出来ません。脱臭能力が不足した原因を調査して確認してから、取るべき対策を考慮し、実行しましょう。
場当たり的に思い付きで対策しても良い結果が出る可能性は偶然の域を出ません。猿がタイプライターを叩いても名文が出来上がる可能性はゼロではないと言いますが・・・。
化学的・論理的根拠に基づかない思い付きでの対策は成功の可能性がゼロに近い=失敗の可能性が限りなく100%に近い! 時間と労力と予算の無駄! と言えます。
専門家に相談する事が問題解決への早道です。当社へのご相談は下記に記載のお問い合わせ先までご連絡下さい。