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事例1. 天道是か非か?
誰もが知る日本を代表する企業からの要望。その驚愕の内容は・・・!
事例2. 税務署からのお問い合わせ
何もやましい事はありませんが? 一体何でしょうか?
事例3. 裁くのは俺だ!
導入した設備の性能評価。「誰が」、「どの様に」、判断する?
事例4. 俺の勝手はお前の責任?
脱臭設備を導入したが予定の性能が発揮できない? その原因は・・・!
事例5. 予算が無いが対策したい?
予算をかけずに臭気対策を実施するたった一つの方法。
ある日、とある企業から当社にお問い合わせを頂きました。
お問い合わせの内容について詳しくお話を伺い、当社が脱臭実験&測定をご提案したところ、「タダでやってくれないか?。うちは天下の〇〇〇だよ?(東証1部上場企業で日本国内のみならず世界的に知名度の高い、名実共に日本を代表する企業の1つです。)うちみたいな有名企業と取引できて嬉しいでしょ?」との要望!
当社は「無償での労働はひいき目に表現しても奉仕であり悪く言えば奴隷同然です。過去に無償で実験した例はなく他社との釣り合いが取れません。当社は貴社と同じく株式会社=営利団体であるのでご提供する労働に見合った正当な代価(見積はかなりおまけしました)を要求しますし、無償ではお引き受けいたしかねます」と回答しました。
公害問題については、いわゆるPPP(Polluter pays principle=汚染者負担の原則)が存在します。要約すると、汚染者(≒事業者)が汚染防止&除去対策、被害者の救済・賠償、原状回復の義務を負い、これらに必要な費用は汚染者が負担する! という内容です。
結局この件はその後の進展がなく、自然消滅となりました。
この会社は日本でも有数の売り上げと利益、そして内部留保を誇る企業ですが、同時に下請け叩きでも有名な会社です。ここまでするか・・・? だから金が溜まるのか! 感心と呆れが入り混じった感想を持ちました。
司馬遷の史記にある「天道是か非か?」という言葉を思い出しました。
「〇〇税務署ですが、御社に確認したいことがあります。」
ある日突然このような電話があればあなたは何を想像するでしょうか? 何も後ろめたい事はなくとも一瞬身構えてしまうのはやむを得ない事ではないでしょうか?
詳しくお話を伺ったところ「セラミックス脱臭製品は消耗品?」という内容でした。
「当社のセラミックス触媒は”長寿命”性能が最大の特徴であり、数日~数か月で交換する使い捨ての消耗品とは全く異なります。理論的にはセラミックスは半永久的な寿命を有し、過去の導入実例でも10年以上無交換での使用が珍しくありません。従って耐久消費財と解釈すべきでしょう。」この様に回答しました。
とある工場に納入したVOC(有機溶剤)臭気対策設備に関するお問い合わせでした。当初の予定では活性炭を大量に用意して年2回交換する予定(25mプール1杯分だそうです。25×13m×1.5m=487.5m3、1m3≒0.4tonとして計算すると195ton! 安く見積もってkg=100円で計算しても1回交換毎に1,950万円、年2回で3,900万円、10年では3.9億円!)でしたが、「大規模な設備の置き場がない」、「導入後の交換費用=ランニングコストが高価になる」、これらの事が問題となり、最終的に当社のセラミックス触媒が採用されました。
費用については別ページ「臭気対策の費用と採算(←クリックでページ移動)」もご覧下さい。
とある企業との交渉時の出来事でした。
排気・排水の汚染除去設備を導入後には、その効果や性能が予定通りに発揮されているか? を確認する必要があります。通常は科学的な手法、即ち「臭気分析」や「水質分析」を専門業者に依頼して、その結果で判断します。
測定や分析は公平性・客観性に欠ける自社測定ではなく、第3者である外部の測定業者に排気・排水サンプルを送付(あるいはサンプル採取も業者に依頼)して分析を依頼し、その結果で判断します。
しかし、この企業は別の判断方法を主張しました。どのような方法でしょうか?
客先の主張は「とにかく臭いがしなければいい! 俺をはじめとする役員全員が臭いを嗅いで、何も感じなければそれでいい!」。
要するに”俺が判断するからお前は俺に従え!”というものでした。
そのような主張を受け入れて、「まだ臭いがある! お前は臭いを感じなくても俺には感じるんだ! だから代金は払えない!」と言われたらそれまで! 代金は受け取れなくなります。この様な科学的根拠のない自己申告をうのみにすることはできません。まるで魔女裁判 のようなものであり公正な判断は期待できません。
”役員全員による判断!?” は最初から結果ありき(まだ臭いがある=金は払わん!)の茶番劇に過ぎないものと考えざるを得ませんので、この件については手を引くこととなりました。
その後、この会社は別の業者と交渉を始めました。別業者の社長と話す機会があり、上記の内容を警告したのですが結局契約しました。その後、不幸にして当社が危惧した通りになり代金が支払われないと業者の社長がぼやいていましたが後の祭りです。
某工場の排気脱臭対策での出来事です。
案件の進行は通常通りに、「お問い合わせ→詳細聞き取り→実験&測定→設備原案と御見積のご提案→設備導入」となりました。最終段階の”検収=臭気測定による性能確認”に進みました。これで予定通りの脱臭性能が出ていればめでたしめでたしです。さて、肝心の測定の結果は・・・予定の性能が出ていない?!
何がおかしい? どこに異常がある? 設備の各所を隅々まで調べると、チャンバー(収納容器)が風圧で膨らんでいる!という事態を確認しました。(チャンバーとはセラミックスを収納する金属製の箱の事です。排気ダクトの途中にチェンバーを設置して、セラミックスを充填し、排気を通す事で脱臭浄化します。)風圧で変形する事は通常ではあり得ないし、そのような事例は当社の過去の事例にもありません。しかし、現実にチャンバーが膨らんだ→上部に大きな隙間ができた→排気の一部が素通り→脱臭効率が低下した!と判断しました。チャンバーの変形と異常は当社の責によるものではありませんがサービスで少なからぬ量のセラミックスを隙間に追加。これで解決だろうと考えましたが、
それでも予定の性能が出ない!?
ユーザーからは「明後日の午前中には対策を提示してくれ! 明後日が駄目なら明日の午後に!明日は休日だが構わない!」と大至急の対応を求められました。
休日返上でこれまで蓄積した各種資料・写真、測定データ・等々を調べ直したら、トンデモナイ事実が発覚!
「送風機をユ ー ザ ー が ” 無 断 改 造 ”していた!」
・出力の増大(+70%)→ チャンバーが変形 → 隙間発生 → 脱臭効率低下!
・処理風量の増大(+50%)→ セラミックスへの負荷が増大! → 脱臭能力低下!
送風機の改造により設備と脱臭効果に悪影響が発生したのは明白! 契約書にも「無断改築は免責」と明記しています。条件が悪化すれば脱臭能力も悪化する事は当然!
例えるなら、高級洋品店で服をオーダーメイドすると身体の各所を採寸してから制作します。 納品後にユーザーから「服が小さい、あちこちがきつい、これは製造ミスではないか?」と言われたら? 採寸後にユーザーの体重や体形が変化した。ふくよかに、豊満に、肉付きがよろしくなってサイズアップしたら?
あるいは、暴走族が車を自分で改造して「馬力が70%UP! 排気量が50%UP!、性能の限界に挑戦だ!」、その結果として「排ガス規制がクリアー出来ない! 設計ミスじゃないか?」とか、事故を起こして「お前のせいだ、お前が悪い、お前は俺に酷い事をした。反省しろ! 謝罪しろ! 賠償しろ!」といわれたら自動車メーカーが責任を認めるでしょうか?
そのようなお問い合わせには「 それはメーカーの責任ではなくユーザーの自己責任です」と回答せざるを得ません。
話を元に戻しますと、顧客側が回答を急がせたのは”ユーザー側での無断改造が当社にばれる前に責任を押し付けて無料で追加対策させようという魂胆だった!”そのように考えざるを得ません。納品から1ヶ月以内に無断改築した例は当社の50年の実績でも他に例がありません。
このままでは解決にならないので、ユーザー、販売店(仲介者)、メーカー(当社)、この案件の関係者一同で協議する場を設けました。ユーザーからは「メーカーの設計ミスではないか?」との発言がありましたが、無断改築の証拠を提示して反論したところ、ユーザー側担当者は「確かにやりました」との回答、あっさり認めた!? 予想外だ。「でも一言改築すると言ったから(←誰に?)無断ではない!」とへ理屈をごねて開き直る! 少なくとも当社は聞いてないし、ましてや改築の許可などは出していない! (後になり「言った言わないの水掛け論は無効とします」と宣言してきました。)
その席にはユーザー側担当者の上司も出席していたので、契約書を提示して「無断改築は免責!」の条項を説明し、改築前後の写真を並べて”無断改築を証明”すると上司は黙り込む。その席上で契約書の内容について改めて説明と確認をしました。「当社は契約事項を遵守します。契約違反についても”契約書に記載された通りに”対処します。しかし、販売店が独自サービスを行う事は自由であり当社は関与しません。」
この件では当社とユーザーの間に販売店が関与・仲介していたのですが、販売店担当者曰く「ユーザーの言うことももっともです!(どこが?)」とユーザーの主張を丸呑みして当社に責任転嫁。販売店曰く「メーカーなくして販売店は何もできません!」 、「メーカーで何とかしてくれると思ったんです。だからやってください。誠意を見せて下さい!」。
何の根拠のない”思い付き”や”思い込み”に他人が付き合うはずがないでしょう? 「報・連・相」の基本を守りましょう。!
このような時の免責事項・転ばぬ先の杖! なので、契約に則り「免責・即時検収」となる。その後に追加対策とする。対策案(当然有料です)を作成して販売店に提示したら、販売店の回答は、「このような内容を販売店からユーザーに提示する事はありません! どうしてもというならメーカーからユーザーに直接連絡してください!」。
やれやれ・・・、以前に「ユーザーとメーカー(当社)を繋ぐのがうち(販売店)の仕事です!」と大見栄を切ったのはあなたでしょう、もう忘れたのですか? ユーザーとメーカーを繋ぐどころか逆に断ち切っている! 明らかな矛盾、手のひら返し! この発言は実質的な職務放棄とみなして当社からユーザーに直接提案する事としました。
環境対策は科学です。目の前の現実と科学的な法則に則り考察し対策を実行するものです。ですが、それ以前に論理的・理性的な対話ができない相手とはまともな会話が成立しません。その後の展開について要約すると、「無学者は論に負けず」、「ない袖は振れない」とだけ申し上げます。
近年飛ぶ鳥を落とす勢いで次々に新規出店を続けて急成長している、たびたびマスコミにも取り上げられている、そして東証一部上場を実現! という某飲食チェーンからのお問い合わせ。店舗調理排気の脱臭対策、条例規制値クリアー&近隣環境対策でのお話です。
開店直後から千客万来! 商売繁盛! 願ったり叶ったり! しかし、その陰では臭気問題が発生していました! 飲食業では基本的に「客が増える→注文が増える→調理も増える→臭気も増える→公害発生!→苦情発生!→対策が必要!」このような式が成立します。
この会社は全国にチェーン店があります。今回ご相談の店舗は東京23区内、駅から徒歩1分! 飲食店の開業には良い立地で実際に来客数も多いのですが、商売繁盛すれば悪臭発生と苦情の到来は必須!そして対策も必須! 苦情の有無以前に条例の規制対象地域であり臭気対策は義務である!
さて、どのように対策しましょう? 開店当初は近隣住民に山吹色のお菓子ならぬサービス券や割引券を配っていたそうですが、しばらくすると「もう割引もサービスもいらないから臭気を何とかしてくれ!」、「毎日朝から晩まで臭気を浴びせられてはたまらない! 早急に改善してくれ!」このように要求されました。臭気対策設備を導入したのですが、それでも残存臭気がまだまだ強くて苦情が止まらない! 業を煮やした近隣住民は地元の役所に通報! 役所から改善勧告を受ける、しかし改善されないのでついに改善命令!。
この時点で当社に相談が寄せられました。早速現場を訪問・視察したら脱臭装置のあちこちが油でべっとり! ダクトの継ぎ目から油が漏れる! 最悪の場合には”ダクト火災”(ダクトの内部に付着した油に調理の火や火の粉が引火して火災発生!)もあり得ます!
臭気濃度の測定データを拝見すると1万を軽く超えている! 飲食業で臭気濃度1万を超えることは事例が少なく、この測定値は非常に高い!=臭気が強い!
以上の結果を踏まえた当社とユーザーの意見交換の一部を抜粋します。
当社「臭気測定値が非常に強く既設設備での規制値クリアーは不可能! 脱臭設備を1から見直して改修・改善しないと規制値はクリアーできません!」
ユーザー「予算が無いから無理・・・」
当社「規制の脱臭装置を一部改善すれば処理後の臭気も弱くなります、全面的な見直しよりも予算は低くなります。但し規制のクリアーは保証できませんが何もしないよりは良いでしょう」
ユーザー「しかし予算が無い…、何とかならないか?」
当社「発想を転換しましょう、予算無しに即時実行できる臭気対策が1つだけあります。」
ユーザー「”!” それはどんな方法?」
当社「営業を停止する事です。」
ユーザー「それは出来ない!!!」
当社「既に改善”命令”を受けています、このままでは近隣住民による訴訟もあり得ます! 」
ユーザー「何か良い方法は・・・」
当社「何かを手に入れる為には代価を差し出す必要があります。品物やサービスを受け取る代わりに金を払う、それが取引であり商売です。従って仕事を引き受けるには正当な代価を要求しますし、ボランティアや奉仕は致しかねます。当社は”貴社と同じ”営利団体です、一部上場企業の御社ならばご理解いただけるでしょう。」
ユーザー「・・・」
この件についてはその後連絡がありません。どのような臭気対策をしたのかは不明ですが、客先のホームページで見ると問題の店舗は現在(2018/07の時点)でも営業を続けています。
法令順守(コンプライアンス)に関してより深く考え、理解し、善良なる企業市民として関係法令・条例を遵守して頂きたい。東証1部上場企業=自他ともに認める大企業として社会の模範となるような行動を期待したい。そのように考えさせられる事例でした。