日本ケミコン株式会社様の子会社「ケミコン山形株式会社」様、山形県長井市にある工場における電子部品(コンデンサ製品及び材料)の製造工程より排出される化学物質「数種類+α(詳細は社外秘!)」の混合排気の脱臭対策。
脱臭設備は24時間連続運転に対応した”3塔式(3つの脱臭装置の交互に切り替えて24時間連続運転)”。屋外に設置、山形県は雪国なので雪よけの屋根を付ける。特殊な臭気成分を脱臭する為に、セラミックスの大半は”特殊加工品”を使用します。
この案件では”特殊な臭気物質が複数種混合した排気”が対象となりました。当社には実績が多数ありますが該当物質は処理事例がなく、また複数の臭気物質が混合すると机上の計算通りにならない事もあるので、設備取付・導入の前に小規模な”脱臭実験”を行い効果を確認しました。
小型の実験機を現場に持ち込み脱臭実験&臭気測定を実施、排気の一部を誘引して実験機(の中に充填されたセラミックス)を通過させます。風速等の条件を変えて最適な条件を見つけます。実験条件と測定結果を基礎として実際に取り付ける脱臭設備を設計・ご提案して本採用となりました。
実験機は「直径200mmφ×1m」×4本=セラミックス80kg使用(最大)。
セラミックスの種類は排気成分に合わせて特殊加工品を選択。
実験機は屋内に設置したが、製造空間は機密保持の為に関係者以外立ち入り禁止! 実験機設置場所までダクトで排気を誘引する。
実験の結果が良かったので本採用となりました。脱臭装置は屋外の建物に隣接した場所に設置。工事前後の写真を張り付けますのでご覧下さい。
24時間連続運転を可能とする脱臭設備です。
セラミックスは稼働時間中に吸収した臭気物質やオイルミストを稼働時間外に養生(吸収した物質を触媒反応で分解・無臭化して排出して再び脱臭を可能とする=自己再生能力を発揮)します。通常の1塔式(1系統だけの脱臭装置)では稼働終了後に養生運転を行いますが、24時間連続運転では養生時間が確保できません! 25時間連続運転に対応する為に複数の脱臭塔を用意して、脱臭運転と養生運転をローテーションを組み順次切り替える事で24時間連続運転と養生・自己再生による脱臭能力の回復・維持を両立させます。
今回は全3系統の内、2系統が脱臭運転、1系統が養生運転となります。
特殊加工品のセラミックスと通常品のセラミックスを使用しています。入口から出口までの間には全部で4段のセラミックス充填空間があり、各種セラミックスにより様々な臭気を順次脱臭処理します。